栄養ドリンクってよぉ....

(す)べて(ダ)メな(オ)ッサンでも、生きてりゃ気になること、ふと考えること、思う事もある。
この四方山帳はそんなオッサンの戯れ言をかく。


「これ、すげぇきくわぁ」
「マジで?」
「おぅ、仕事きつくてこの2日まともに寝てねぇから、ぶっ倒れそうだったのにこれキメたら疲れも眠気もぶっ飛んだ。ちょっと高いだけあるわ。」









....この会話はオッサンが若い頃、西成の袋小路で個人経営のお薬屋さんから白い粉薬を買った時の会話でもなければ、まして新宿東口の高架下で市販されていないタバコっぽい何かを購入した時の会話でもない。
今、働いてる工場の喫煙所で従業員がしていた会話だ。
彼が手にしているのはどこぞの薬局で薦められたという栄養ドリンクらしい。
オッサンはこのての栄養ドリンクが嫌いだ。
栄養ドリンクの味が嫌いとか匂いが嫌だいう話じゃない。
お茶では物足りないが珈琲は重い時なんぞにオロナミンC とかリアルゴールドとかは飲むし味はむしろ旨いと思う。
そういう事じゃなく、クタクタで限界な身体を薬品流し込んでまで鞭打ち働くのが当たり前の風潮が大嫌いなんだ。
テレビのCM 見ても「もう限界だ。そんなときにこの一本でシャキッ!!」みたいな。


.....いやいや、そこまで体力が限界ならドリンク飲んで働くより休もうぜ...。
大体、つもり積もった身体の疲労を一発で取るなんて物理理論上無理だろ、仙豆かよ。
それは疲れが取れたんじゃなくて感覚を麻痺 させて一時的に誤魔化してるだけだろうが。
そんなもん、一定のライン超えたら界王拳使いきった後の孫悟空みたくなるの目に見えてるよなぁ。
大体、CM は男前な連中がやってるから気になんないかもだけど、現実でオッサンが再現したら、相当ヤバい絵面になると思う。
まず、めちゃくちゃ働きすぎのオッサンは頬は痩けて、目はクマ通り越して落ち窪んで、肌も唇も土気色でガサガサ.....。
そんな外観上の症状がドリンク一つで激変するはずはねぇんだから、外見はそのままでドリンク飲んだ途端目ぇギラギラしてシャカシャカ動き出したら....かなり危ねぇ奴だよなぁ。
なのでオッサンはそういう現場を見る度に


「これって、戦時中に死にかけた兵隊がヒロポンぶっこまれて死ぬまで戦場を這いずらされてるみてぇだなぁ...」
と思うわけよ。

結局、50年も過ぎて国や金持ちが俺達底辺をこきつかうやり口はたいして進歩してねぇんだよな、そんでもってこきつかわれる俺達の「しようがねぇんじゃねえの。」って思考も。


「欲しがりません、勝つまでは。」ってか。


......勝つって、何に???